水素ステーションの仕組みと安全性 Mechanism and safety of hydrogen station

水素ステーションの仕組みと安全性

水素ステーションの種類

水素ステーションは大きく分けて、その場で水素も製造しているオンサイト型と、ガソリンスタンドのように他から水素を持ってきているオフサイト型、また複数の場所で運営可能な移動式ステーションがあります。

オンサイト型では、都市ガスやLPG等を原料に水素を製造したり、電気で水を電気分解して水素を製造しています。最近では、再生可能エネルギー由来電力を用いて水素を製造する水素ステーションも設置されています。
オフサイト型は、既存の製油所や工業プラントで大規模に製造されている水素の一部を、水素ステーションに運んでくるものです。

移動式とは、その名の通り大型のトレーラーに水素供給設備を設置して、移動できるものです。工場や他のオンサイト水素ステーションで水素を調達し、これを運んでくるものです。そのため、必要に応じて水素を供給できるため、FCV普及初期には有益な方法と考えられえています。

水素ステーションの仕組み

(出典:水素エネルギーナビ「水素ステーションの基本的な仕組み」)

水素ステーションは、ガソリンスタンドのように水素を車両に供給するためのノズルを備えたディスペンサー、水素を蓄えておく水素タンク(蓄圧器とも言います)、また水素を適切な圧力に高めるための圧縮機(コンプレッサ)、水素を冷却するプレクーラーなどから構成されます。

水素ステーションの安全性

水素ステーションには様々な安全対策が施されています。 水素の漏洩防止と早期検知、また万が一漏れた場合の滞留防止や引火防止、さらに火災時の影響軽減が安全対策の基本的な方針です。
また地震計も設置されています。
さらに日本の場合、スプリンクラー設備の設置などが義務付けられており、世界的にも安全に配慮した水素ステーションとなっています。

●地震計:地震を検知し、地震発生時には緊急停止します。

●ガス漏えい検知センサー:水素は無臭のガスですので、機械による専用のセンサーが必要です。ガス漏えい検知センサーは、水素の漏えいを検知し、水素漏洩時には緊急停止します。

●消火・散水機能:高圧の蓄圧器(水素タンク)が設置されていますので、万が一火災が発生した場合には、その消火と蓄圧器の温度上昇防止のために冷却水を散水します。

●緊急停止スイッチ:異常時に係員による緊急停止を行います。

●インターロック:異常時に自動で緊急停止等を行います。
⇒水素ステーションの各装置にはインターロックといわれる機構が回路として組み込まれており、装置に異常が発生した時には、自動的にすべての装置を安全に停止するように制御します。

●アース:水素は引火しやすいガスですので、静電気を逃がすことが必要です。静電気を逃がし、静電気による引火を防ぎます。
⇒水素ステーションのほとんどの装置には静電気を逃がし、引火を防止するためにアースが設置されています。水素充填においては、初めに作業員は静電気除去シートに触れて、静電気を取り除くことになっています。

●火災検知センサー:水素は仮に引火しても、その火炎が透明なので目視で発見することができません。よって専用の火炎検地センサーを設置し、火炎を検知した場合には緊急停止します。
⇒水素貯蔵容器(オフサイトステーションの場合)やディスペンサーには火炎検知センサーが設置されています。水素の炎は透明で目に見えないため、万が一炎が発生した場合は、紫外線で炎を検知し、水素ステーションのすべての装置を自動停止させます。

●車両衝突防止ガード:ディスペンサーへの車両衝突防止措置が取られています。
⇒ディスペンサーには、車両衝突防止ガードが設置され、不慮の車両衝突に備えています。

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